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厳しい環境の中でも「圧倒的に強い」工務店の特徴7選

「性能とデザインだけではもう勝てない」。

こんなことは、日々真剣に経営と向き合っている工務店さまにとっては、今さら言うまでもない「当たり前の前提」です。しかし、頭ではわかっていながらも、未だに「他社より少しでも数値を良くしよう」「もっと映えるデザインを取り入れよう」と、終わりの見えないスペック競争やデザイン合戦から抜け出せていない会社が少なくないのも事実です。

SNSでは目を引くおしゃれな施工例がいくらでも並んでいます。 Canvaの登場で誰でもプロ並みのデザインが作れるようになったように、住宅業界でもSNSの普及やデザイン特化のFCが増えたことで、いまや誰でもおしゃれな家が建てられるようになっています。いわば「住宅デザインの民主化」が完全に起きているのです。

断熱性も耐震性もデザインも、もはやコモディティ化し、それ単体では武器になりません。では、この過酷な時代に業績を伸ばし続けている「強い工務店」とは、一体どんな会社なのか。

これからお話しするのは机上の空論ではなく、私が日々現場でクライアントやその競合他社と向き合ってきたリアルな「体験談」に基づく、綺麗事抜きの「7つの工務店の特徴」です。

1. 広告ぶん回し工務店

正直なところ、これは今でも圧倒的に強いです。

「暴力的な広告費」に物を言わせて、豪華なホームページやパンフレットを作り、立派な展示場を構える。圧倒的な露出で接点回数を増やせば、それがそのまま顧客の「大手だから」という安心感につながります。

極端な話、社内に建築の深いノウハウがなく、設計から施工まで外注への「丸振り」だったとしても、このブランディングさえあれば受注できてしまうのが現実です。

さらに言えば、こうした会社の代表は自社のノウハウをコンサル業として横展開し、建築以外での収益も増やし始めています。「金のあるところには金が集まる」とはまさにこのことで、他事業で稼いだ利益をまた暴力的な広告費へと投下する強固なループが完成しています。

2. ゴリゴリ営業工務店

「口がうまいと売れる」。

これは昔も今も変わらない業界の真理です。どれだけプランや価格がよくても感じの悪い営業マンとは契約しないですよね。最終的には「人(営業マン)の魅せ方」で決まってしまいます。(そんなことはない!という反論はあるかもしれませんが、実際に急成長中の◯◯工務店なんて、中身大したことないのに売れてるじゃないか!と言いたいです)

契約後に現場との食い違いでトラブルになったり、口コミサイトで叩かれたりすることも多いですが、それでも強烈な売上を叩き出すのは、顧客の心を掴むクロージング力を持った営業マンがいる会社です。

ただ、こういう営業特化の会社は、他社からの引き抜きなど即戦力採用に頼るため、企業文化が根付きません。理念やエンゲージメントなど無いに等しく、常に組織が崩壊する危険を孕んでいるという脆さも抱えています。

3. 性能オタク工務店

「性能だけでは勝てない」と言いつつも、やはり「性能に一番こだわるユーザー」は一定数存在し、そこを確実に取り切れるのは本物のオタク工務店だけです。資金力や営業力を持たない中小工務店が、一条工務店などの大手に勝つための唯一の道でもあります。

しかし、単に良い商材を採用し、「断熱等級6」「C値0.3」「耐震等級3」「許容応力度計算」といった数値や計算方法だけで勝負している会社はすでに限界にきていますし、厳しい言い方をしますが、こんなレベルではオタクとは呼べません。

本当に選ばれ続ける会社は、外皮計算や一次エネ計算を自社でこなし、きちんと性能通りの快適性やエネルギー効率を発揮させるための「空調計画」まで緻密に取り組んでいます。構造計画も自社で完結し、「構造設計事務所へは自社のプランをただ計算してもらうだけ」というレベルにまで到達しています。

自社で完結できる深い知見があるからこそ、他社のプランの「穴」を瞬時に見抜けるし、お客様に「なぜこのプランなのか」という根拠を明確に説明できます。お客様の要望通りにただ間取りを描き、後から数値を合わせるために無理やり補強を入れているような会社は、これから間違いなく苦しくなります。

4. 芸能人?社長工務店

どれだけ良いものを作っていても、発信力がなければ存在しないのと同じです。商品力で大手に勝てなければ、最後は「人」で勝つしかありません。

ここで絶対に必要なのは、「社長自身が芸能人のような存在になること」です。よく「社長が自分の力で集客すると組織の力が育たない」と耳障りの良い言葉を盾にして、表に出たがらない社長が多くいます。しかし、組織づくりには莫大な時間とお金がかかります。そんな悠長なことを言っている猶予はありませんし、それなら社長自身が努力して集客した方が圧倒的に早いはずです。

そもそも、集客できなければ売上は立たず、現場がなければ社員のスキルも一生育ちません。「この過酷な時代に、社長が先頭を走らないでどうするんだ」と強く言いたいです。

弊社でYouTube運用をしているクライアントの体験談を紹介します。社長が小学生の子供の授業参観に行った際、見知らぬ保護者から「〇〇社長ですよね!?」と、まるで芸能人を見つけたかのようなテンションで声をかけられたそうです。実はその方はYouTubeを見て自社を検討していた視聴者さんでした。(もちろんご契約いただきました )

別のクライアントでも、展示場で自社のYouTubeを流していたら、動画に出ている営業マンに気づいたお客様が「本物に会えて嬉しい!」と大喜びしてくれて商談がスムーズにいったという話もあります。スタッフにファンがついても、退職や独立されれば会社のブランド力は無に帰します。

だからこそ、恥を捨てて社長自らが先頭に立ち、圧倒的な知識と熱量を持って発信にチャレンジしている会社は強いのです。

5. 脱・新築依存工務店

「新築のほうが売上が読めるから」と、新築市場にしがみつく工務店は少なくありません。しかし、この時代に新築で勝てるリソース(資金・営業力)がないのに、それを言い続けるのは危険です。目先の売上すら読めないのに、なぜその先の売上を読もうとするのでしょうか。

さらに言えば、「新築の予算が厳しいから」と、せっかく来てくれたお客様を自社の客ではないと突き放すのは、とんでもない機会損失です。目の前のお客様は、「ただ新築が建てたい」人なのか、それとも「あなたの会社に頼みたい」人なのか。もし後者(自社のファン)であるなら、予算を理由に突き放し、他社でゴリゴリのローコスト住宅(※夏は暑くて冬は寒く、地震が来たらグラグラな家)を買わせるのはプロとしてどうなのでしょうか。

そこで「中古物件を購入して性能向上リノベーションをする」という提案ができれば(もちろん安くはありませんが)、お客様の選択肢は一気に広がります。「自社の売りたいもの」を優先するのではなく、リノベーション市場も含めて自社の立ち位置を把握し、柔軟な提案でお客様を救える会社こそが、長期的に愛され強い会社になります。

6. 不動産×工務店

家づくりにおいて「立地(土地)」は依然として強い動機になります。「その場所に住みたい」という理由で、条件付きの土地を扱う不動産会社で家を建てるユーザーや、建売を買う層はたくさんいます。

実際、私のクライアントでも集客数と着工数を伸ばし続けている会社がありますが、やはり不動産を扱える強みは絶大です。もちろん何も努力していないわけではなく、他の施策もやりきっている前提ですが、家づくりの入り口である「土地」からプロとして提案できることは、一般的な工務店に比べて圧倒的なアドバンテージになります。

自社で土地を押さえ、そこに自社の強みである設計を落とし込める会社は、極めて有利にビジネスを展開できます。

7. 大工集団工務店

業界全体で職人の高齢化が進み、若い職人が圧倒的に不足しています。それに伴う外注費(施工費)の異常な高騰は、工務店の利益を大きく圧迫しています。 この過酷な環境下で、社員大工を採用し、自社で若手を教育・育成できる会社は極めて強いです。

実際、地方で「年間12棟限定」と着工数は維持しているにも関わらず、売上・利益が上がり続け、社員数も増えている工務店があります。これは「自社大工が責任を持って建てる」というブランド価値と安心感が、地域に深く浸透しているからに他なりません。

外注に頼らず施工品質をコントロール、自社で若手大工の育成もしているためコスト高騰のリスクを抑えられています。「大工集団」は、他社には真似できない最強の武器になります。

さいごに

と、私個人の見解でしたがいかがでしたか?「暴力的な広告費」や「営業マンのトーク力」でゴリ押しする会社が一定の強さを持つ一方で、中小工務店は「圧倒的な知見」「社長の発信力」「新築以外の市場開拓」「不動産事業の展開」「施工力の自社保有(自社大工)」といった、表面的ではない、本質的な戦略を持たなければ太刀打ちできない時代です。

自社はどこで戦うのか。立ち位置を見極め、覚悟を決めて突き抜けている工務店こそが、この厳しい時代でも「圧倒的に強い会社」になれると、私は日々の現場で伴走する工務店さんを見て感じています。

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